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2005/05/05

切ない現実

先日入院した祖父のお見舞いに1週間ぶりに行ってきました。・・・案の定、認知症が進行していて精神科のある病院に転院する事になりました。祖父は膝の痛みが治まってきて少しなら自分で動ける、内臓も悪いところがなく食欲も旺盛。ベッドサイドにポータブルが置いてあり少し手伝ってもらえれば自分で出来るのですが、小さな病院で看護師も少なく、トイレに行きたいと思ったときにすぐ間に合わないのでオムツをつけられています。自宅に居るときも、祖母や息子の嫁にさえ下着をさわらせなかったプライドの高い祖父。自分でトイレに行きたいという思いが強く、自力でポータブルに移ろうとして間に合わず下着を汚してしまったそうです。看護師が下着を取り替えようとしたところ、怒ってさわらせなかったため数人の看護師で囲んで取り押さえ下着を脱がせようとして、下着をやぶってしまったのだそうです。

・・・そりゃ、パニくるし暴れますよねぇ!?
それで自分達の手に負えない問題児だ、認知症の患者に打つ薬がここにはないと、精神科のある病院へ即転院を言い渡されたそうです。私達が病院に着いた時、祖父は「情けない・・・」と泣いていました。これが現実か・・・と改めて思い知りました。病院側だけを責められない事情があることもよく分かります。家族だって、四六時中そばにいてあげる事ができないんですから・・・。だからなおさら切ないですね。

祖父は昔話をよくするようになりました。27歳ごろ、神戸や名古屋に住んでいた頃、あの頃は一番良かった、一番楽しかったという話をよくしています。皆に世話になって幸せだと。今は情けないと涙しますが、最期にはありがとうと繰り返します。利用者さんのお宅を訪問しても、戦争の頃や孤独でつらかった事ばかりお話される方も多くいます。祖父が今になって思い出す記憶が、幸せだった頃の事なのがせめてもの救いだと感じます。祖父が最期の時まで、笑って過ごせるように出来るだけの事をしていきたいと思っています。

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