うれしい出来事
12月28日、某高校の女生徒と担当教師の方が私の事務所に来られました。以前、夏ごろだったか「福祉住環境コーディネーター」に関心があるので、お話を伺いたいと事務所に1度来て下さった事がありました。今回数日前にお電話をいただいて、その後自分で勉強されてレポートをまとめ、自分の家の住環境整備についてプランを考えたので見て欲しいとの事でした。
レポートを見せていただくと、福祉住環境整備の必要性やメリットについて、福祉住環境コーディネーターとはなんぞやということを自分の言葉でまとめています。ふくし交流プラザ1階の福祉機器の展示を体験したり、公共施設などのバリアフリー度もチェックしてきたこともまとめて、感想を書いていました。最後に、高齢者疑似体験ができると言われている「うらしま太郎」グッズを身につけ、車椅子を持ち込み、自分の家の中で動作をしてみた様子をまとめていました。家の中での段差や、動きづらい、危険を感じた場面を書き出してあり、その改善のためにどんな福祉用具の導入や住宅改造の必要があるのかを、しっかり自分なりにプランをたててくれていました。高校生でこれだけ住環境に関心を持って取り組んでくれる方がいるというのは、本当に嬉しく心強いです。
ただ彼女は、今現在はお元気な祖母の10年後を漠然と想定していたため、どうやってプランをたてていいのかかなり悩んだ様子でした。それもそうでしょう。実践で住環境整備に携わっている私たちだって、身体的な状況やその方がどういう生活を望んでいらっしゃるのか、それが明確に分からない状況ではプランをたてるのも難しいのは同じです。いくつか質問をすると、お祖母さんはペースメーカーを付けていらっしゃること、日中はダイニングにいて家族と会話をすることが好きなこと、など話してくれました。
「実はそれが一番大事なことなのよ♪(^^)」と言うと、まだピンと来ないような不思議そうな顔をしていましたが、ただ足腰が弱っているから福祉用具をいくつも入れたり、車椅子生活を想定したプランをたてるのではなく、手すり1つをとっても身体の状態によって適切なものが違うこと、用具を導入したり住宅改修をする際に、なんのために使うのか、なにを改善するためのものなのか、そこから考えてみる事が必要ですよね。現在お元気なお祖母さんが病気になった事を想定するのもなんですので、必要と思われる福祉用具を考えるにしても、どういった障害の場合に適しているのか、それを利用する際のメリットやデメリットについてまとめてみたら?と提案したら、「・・・うーん。難しいけど、少し見えてきました!」と、悩んでいた彼女の顔に少し笑顔が戻りました。
いきなり正解にたどりつかなくてもいいんです。そうした視点で、今の彼女なりに考えてくれたら・・・それで十分だと思います。将来は社会福祉士になりたいと言っていた彼女・・・これからもぜひ応援していきたいです!(^^)
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