まじめにFJCな話。
改めて、最近思う。
福祉住環境コーディネーターに出会って、はや6年。
自分なりに動いてきたけど、まだまだ浸透していない。
福祉住環境コーディネーターと言うと長いので、略してFJCとよく言われる。普通、資格の名称を略したら、英語の頭文字じゃないの?なぜか、日本語の頭文字をとってFJCと呼ぶ(^^;
福祉住環境コーディネーターの仕事は、手間がかかるし一人一人違うので、正解がないとも言われていて難しい。言ってしまえば、とっても燃費の悪い仕事(^^;
その代わり、依頼者の生活が改善されて、自分で出来ることが増えたり、生きる意欲が沸いてイキイキした笑顔を見た時は、そんな苦労もすーっと消えてしまう。
思わず、心の中では「よっしゃ!」とガッツポーズ(笑)
どんな障害を持っても、高齢になっても、住みなれた家で、その人らしく暮らしていける住宅改修のプラン提案をしたり、それだけでなく必要な情報や専門職をつないで、ヘルパーやデイサービスを活用したり、福祉用具を提案したりと、ハードもソフトも合わせて解決していく役割を担っている。
これからの時代、ますます必要となってくるし、活躍の場は住宅以外にも、商品やサービスを売り物にする業界から、まちづくりの範囲まで、どんどん広がっていく可能性があると思う。
例えば、高齢者も使いやすいお箸やお皿とか、手の力が弱くても使えるハサミや消しゴムなどの文具も、一般に販売されるようになってきた。ユニバーサルデザインを視野に入れたまちづくりも、当然の考え方になってきた。
でも現実には、その名前を聞いた事もない人も多い。
時々、どんなに頑張っても浸透していかないことに、ため息が出て投げ出したくなることもあるけれど・・・
そんな中で、嬉しいことがあった。
福祉住環境整備(障害者、高齢者のための住宅改修など)の仕事をしてると、一般の建築士と違うところは、医師や理学療法士、ケアマネジャー、ヘルパーなど、まったく違う分野の職種の方々からお話を聞いたり、情報を出し合って一緒にプランを考えることもある。
目的を共有できて、すんなり話が出来ることもあれば、専門職のプライドが壁になって、投げかけた質問も鼻で笑われて跳ね返されることもある。
そんな中、職種は違うけれど思いを共有できる薬剤師に出会えて、数年前から情報交換をさせていただいている。以前にも日記で紹介させていただいた川添さんは、薬剤師会の理事として、全国を講演で飛び回るほど多忙な方だけど、相談があれば家まで行って薬についてのアドバイスも行っている。
そんな川添さんが、日本薬剤師会のとある委員会の一員として、数年をかけて制作された一冊の本が完成しました!
「薬剤師による食事・排泄・睡眠・運動を通した 体調チェック・フローチャート」(発行/社団法人 日本薬剤師会)
本来は、薬剤師向けに制作された本ですが、日常生活の中の食事や排泄などの場面で、食欲がない、口の中が渇く、夜間の頻尿や便秘など、不調の原因が薬が合っていないことや、副作用にあるかもしれないと、チェックできる内容になっているので、一般の人にも分かりやすく、私たちが福祉住環境コーディネーターとして、相談者の家に伺った時にも、困っていることに気付けるアンテナがひとつ増えて、とても勉強になる。
その本の中で、川添さんが、
『福祉住環境コーディネーターなどが身体機能をふまえた住宅改修の提案をしてくれるので、相談をするとよい。』
と、まだまだ浸透していない福祉住環境コーディネーターと言う言葉を、取り入れてくれた。日本中の薬剤師がその名前を目にすることになる。
これは、本当に画期的・・・いや、革命的な出来事だ!
「笹岡さんの話や行動から、福祉住環境コーディネーターの役割の大切さを教わった。こうやって、その行動が一人の薬剤師を動かしたんだから、自信を持って。」
川添さんに感謝するとともに、今までやってきたことが間違いじゃなかったんだと、少し救われた気がした瞬間だった。まだまだ道のりは遠いけど、地道に信じた道を進んでいこうと改めて感じた。
フローチャートについて書いている、川添さんのブログ記事はこちら。
PDFでご覧になれる方は、フローチャートのデータです。
なお、この本は一般には販売されていません。ご希望の方はお住まいの県の薬剤師会にお願いしてみてください。私は特別に購入させていただいて、手元にありますので興味のある方はご連絡くださいませ。
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