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2007/04/24

まじめにFJCな話。

改めて、最近思う。
福祉住環境コーディネーターに出会って、はや6年。
自分なりに動いてきたけど、まだまだ浸透していない。
福祉住環境コーディネーターと言うと長いので、略してFJCとよく言われる。普通、資格の名称を略したら、英語の頭文字じゃないの?なぜか、日本語の頭文字をとってFJCと呼ぶ(^^;

福祉住環境コーディネーターの仕事は、手間がかかるし一人一人違うので、正解がないとも言われていて難しい。言ってしまえば、とっても燃費の悪い仕事(^^;
その代わり、依頼者の生活が改善されて、自分で出来ることが増えたり、生きる意欲が沸いてイキイキした笑顔を見た時は、そんな苦労もすーっと消えてしまう。
思わず、心の中では「よっしゃ!」とガッツポーズ(笑)

どんな障害を持っても、高齢になっても、住みなれた家で、その人らしく暮らしていける住宅改修のプラン提案をしたり、それだけでなく必要な情報や専門職をつないで、ヘルパーやデイサービスを活用したり、福祉用具を提案したりと、ハードもソフトも合わせて解決していく役割を担っている。
これからの時代、ますます必要となってくるし、活躍の場は住宅以外にも、商品やサービスを売り物にする業界から、まちづくりの範囲まで、どんどん広がっていく可能性があると思う。
例えば、高齢者も使いやすいお箸やお皿とか、手の力が弱くても使えるハサミや消しゴムなどの文具も、一般に販売されるようになってきた。ユニバーサルデザインを視野に入れたまちづくりも、当然の考え方になってきた。

でも現実には、その名前を聞いた事もない人も多い。
時々、どんなに頑張っても浸透していかないことに、ため息が出て投げ出したくなることもあるけれど・・・
そんな中で、嬉しいことがあった。

福祉住環境整備(障害者、高齢者のための住宅改修など)の仕事をしてると、一般の建築士と違うところは、医師や理学療法士、ケアマネジャー、ヘルパーなど、まったく違う分野の職種の方々からお話を聞いたり、情報を出し合って一緒にプランを考えることもある。
目的を共有できて、すんなり話が出来ることもあれば、専門職のプライドが壁になって、投げかけた質問も鼻で笑われて跳ね返されることもある。

そんな中、職種は違うけれど思いを共有できる薬剤師に出会えて、数年前から情報交換をさせていただいている。以前にも日記で紹介させていただいた川添さんは、薬剤師会の理事として、全国を講演で飛び回るほど多忙な方だけど、相談があれば家まで行って薬についてのアドバイスも行っている。
そんな川添さんが、日本薬剤師会のとある委員会の一員として、数年をかけて制作された一冊の本が完成しました!

「薬剤師による食事・排泄・睡眠・運動を通した 体調チェック・フローチャート」(発行/社団法人 日本薬剤師会)

本来は、薬剤師向けに制作された本ですが、日常生活の中の食事や排泄などの場面で、食欲がない、口の中が渇く、夜間の頻尿や便秘など、不調の原因が薬が合っていないことや、副作用にあるかもしれないと、チェックできる内容になっているので、一般の人にも分かりやすく、私たちが福祉住環境コーディネーターとして、相談者の家に伺った時にも、困っていることに気付けるアンテナがひとつ増えて、とても勉強になる。

その本の中で、川添さんが、
『福祉住環境コーディネーターなどが身体機能をふまえた住宅改修の提案をしてくれるので、相談をするとよい。』
と、まだまだ浸透していない福祉住環境コーディネーターと言う言葉を、取り入れてくれた。日本中の薬剤師がその名前を目にすることになる。
これは、本当に画期的・・・いや、革命的な出来事だ!

「笹岡さんの話や行動から、福祉住環境コーディネーターの役割の大切さを教わった。こうやって、その行動が一人の薬剤師を動かしたんだから、自信を持って。」

川添さんに感謝するとともに、今までやってきたことが間違いじゃなかったんだと、少し救われた気がした瞬間だった。まだまだ道のりは遠いけど、地道に信じた道を進んでいこうと改めて感じた。

フローチャートについて書いている、川添さんのブログ記事はこちら

PDFでご覧になれる方は、フローチャートのデータです。

なお、この本は一般には販売されていません。ご希望の方はお住まいの県の薬剤師会にお願いしてみてください。私は特別に購入させていただいて、手元にありますので興味のある方はご連絡くださいませ。

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心のアンテナで。

「病気が進行していて、体の状態がかなり悪くなっているから、全面的な改修が必要な人がいる。 笹岡さん。相談に乗ってあげてもらえますか?」

お世話になっている方からの依頼。
すぐにアポを取って、数日後に伺う。

その人はお一人暮らしで、困った時だけ手伝ってくれる人が近くにいる。
脳性麻痺が進行していて、60代の方で、言葉の聞き取りがかなり難しい。
他に助けてくれる人も、通訳をしてくれる人もそばにいない。

困った・・・・。
とにかく、何度聞き返してもいいから、精一杯に耳を傾けて、
何を伝えようとしているのか、ちゃんと理解して受け止めたい。

話を聞いているうちに、どんな時に不便を感じているか、どこを改善したいと考えているか、なんとなく理解できるようになった。
でも、もう少し情報が欲しい。客観的な立場で、その人の生活を見ている人。
時々お手伝いしている方に来てもらう。すぐに用事があって帰られたが、いつもの様子を教えてもらう。
でも、「本人がどうしたいかは、私も分からないから聞いてみてください。」と。

次に、部屋に張ってあるスケジュール表を見ると、訪問看護、訪問リハ、往診の予定が書き込まれている。
「部屋に来て、訓練をされている理学療法士さんなら、お体の事をよく理解してるかもしれません。リハの時間にもう一度来させてもらって、お話を聞かせてもらってもいいですか?」

私がそう質問すると、ふっと笑ってその方はこう言いました。
「部屋に来たって、手足を曲げ伸ばししてすぐ帰るだけなのに、生活の中のことが分かるわけがない。とにかく、君が設計を考えて、僕に伝えてくれたら、それを見て意見を言うから。」

んー・・・どうも、頼れる人はいないらしい。
ひとまずは、情報も探しつつ、自分なりのプランを考えて、分かりやすく絵を描いて、持っていってみる事にした。
ひとりよがりにならないためにも情報収集は大切だけど、心のアンテナで目の前のその人に向き合うことが、一番大切なのかもしれない。

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孤独・・・・。

孤独だなぁ、と思う瞬間がある。


どこにも行き場のない感情が

もこもこと、おなかの中にたまってくる。

やばい。泣きそうっ・・・。

そんな瞬間、幼い頃の自分とオーバーラップする。

今にもこぼれそうに涙をためたまま

必死で歯を食いしばって堪えている

夕陽が落ちていく中で

いつまでも来ない人を待ち続けている

子供のクセに「私は平気よっ」という顔で。

意地っ張りの負けず嫌いの愛されベタのルーツ・・・


そうだ、マッキーの歌にこんな歌詞があった。

『今日ずっと抱えてたのが
 僕だけにしか分からない痛みなら
 誰も気付かない場所へ捨てて
 何もなかったように 今すぐ笑いたい』

みんなそれぞれに、そんな捨て場所を持っているのかも。

自分サイズの捨て場所を探したいと思う今日この頃です。





そして、とある日の孤独の一ページを画像にて・・・。
2007041117010001

 

 
 

  


レジを慌しく通り過ぎる人たちに向かって
「レシートのご協力をよろしくおねがいしま~す!」

えんえん一時間叫び続けるのは、いやぁ・・・かなり孤独でした。
黄色いレシートを、叫んでるネェちゃんの箱に入れたら、何になるのか?
そりゃ、お客さんも知っちゃこっちゃありませんよね(^^;
もっと分かりやすく説明書いといて~!!(泣)

え?意味が分からない??分からなくてもいいんですよ。ぼやきですから(^^;

というわけで、オチがついたところで終わりにします。
失礼いたしましたm(__)m

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2007/04/11

くすりと暮らし

Teirei44月9日。ふくねこの定例会がありました。定期的に講師としてお越しくださっている、くろしお薬局の川添哲嗣さんに「くすりと暮らし」と題して、お話をしていただきました。
生活の中の食事・排泄・睡眠・運動機能について、いくつかの質問に答えていただければ、薬があっているかどうか、薬による副作用で困られているのではないか、ということが、ある程度判断できる簡単なチェック項目をアドバイスをいただきました。

福祉住環境コーディネーターとして住環境整備に関わる中で、「ふらつきがあるから、段差をなくしたい」とか「トイレが間に合わないから、改修したい」「食欲がないから体力が落ちる、体に力が入らないから動けない」という相談があった場合、すぐにハード面の改修のプランを考えるのではなく、薬の影響ではないのかな?ということも、一度考えてみる視点を持つことは、本当に大切だなぁと感じました。内容の詳細については、部分的にお伝えして誤解を招いてもいけないので、ここでは控えます。
そして、そんなときに「あの薬剤師さんに聞いてみよう!」と思えるつながりがあることは、本当に心強いです。定例会のあとも、川添さんに質問したい人が多くて、寒い会場の入口で1時間ほど拘束してしまいました。それだけ、薬の問題は身近で、生活に密着した問題なんだと改めて考えされられました。川添さん、ありがとうございました!(^^)

興味のある方は、川添さんのブログをぜひご覧ください。
☆くろしお薬局のブログ「土佐の高知の薬剤師通信」

☆4月30日~5月3日放送の「いずみのどこでもトラットリア」にも出演していただいています!「目からウロコの薬の基礎知識」のお話、そしてジェネリック医薬品のお話、またリスナーからの質問にも答えていただいています。ぜひこちらも聴いてくださいね!!

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2007/04/09

大阪出張。

4月7日。大阪にて、福祉住環境ネットワーク会議の運営委員会がありました。中央からの発信だけでは解決できない、それぞれの地域の抱える問題や地域性を理解している地元団体だからこそ発信出来ることを、大きな目標を共有しながらともに解決に取り組んでいこう、という集まりなのです。事務局は例年通り、大阪のNPO法人ゆにばっぷが務めてくださり、今年度の議長は、福井の谷口さん。運営委員のメンバーは新潟の品田さん岩手の大志田さん、そして高知の笹岡。オブザーバー参加で島根の陰山さん、愛知の田中さんが参加。広島の尾本さん、宮城の泉田さんは欠席でしたが、久々にパワフルな仲間に会って話が出来て心強く感じました。
これからますます、その存在が必要になってくる「福祉住環境コーディネーター」ですが、まだまだ認知度は低く、なぜ必要なのか?どう生かせばいいのか?実践の現場はどこにあるのか?そこからの理解を広めていくことが、一番大変で一番重要なことなのかもしれません。画像は、会議の様子です。
Osaka14
 
 
 
 
 
 
まじめな会議が終われば、”おもてなしのこころ”と言えば、大阪!というくらいに、美味しい粉モン&変わり鍋を堪能させていただきました。そして誰からか「今頃、造幣局の桜は見ごろなんでしょうねぇ?」なんて言葉が出たと思ったら、「よし!行くぞ!!」と実現しちゃう。このフットワークの軽さも、素晴らしいのです(^^)
Osaka15Osaka17しかし、初めて行ってみれば、桜並木よりも露店の多さに驚きました。これじゃ、お祭りだぁ~!(^o^)♪小雨が降っていたため、人出は少なかったのですが、「立ち止まらないでください。写真は撮らないでください。前に進んでください。」と警備員のアナウンス。ゆっくり花見を楽しむという雰囲気ではなかったけれど、めったにない楽しい体験をさせていただきました。

 
 

Osaka18珍しかったので、露店のおばちゃんと一緒に撮影。大阪なのに名物の「東京コロッケ」は、直径2cmくらいの小さなコロッケが串刺しになっていて、串カツのようにタレにさっとつけて食べます。美味しかったです(^^)


 
 

Osaka16こんな画像、載せていいのかしら?(^^;夢の競演!?「カナダからの手紙」(笑)そしてそして、大阪の夜はふけてゆきました・・・。


 
 

Osaka19二日酔いの翌朝、梅田駅まで歩いて向かう途中に面白いお店の看板を発見。どうも靴屋さんらしい。看板には「飲酒運転やめましょう。靴はいて歩きましょう。交通違反の代償高いが、靴安い」とか、「格差社会を是正せよ。身長の格差は当店で。」とか(^^;どうもシークレットシューズがお勧めのようです。
さすが、大阪。今回も、おなか一杯、胸いっぱいです。ありがとうございました。

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2007/04/06

AED講習

3月12日。ふくねこ(福祉住環境ネットワークこうち)の定例会として、高知赤十字病院救急部の島津Drに、AED(自動体外式除細動機)の操作方法など、教えていただきました。

Teirei1AEDを設置してある箇所が増えているのは目にするものの、中身がどうなっているかが分からないと、いざという時に触れるかと言われたら、躊躇してしまうなぁと思っていました。島津Drの指導のもと、実際に触ってみると「なんだぁ~。」と思うほど、簡単。しかも、患者さんに対して電気ショックが必要かどうかの判断は、AEDがしてくれるのです。電源を入れるところから、機器のアナウンスに従えばいいだけになっています。

Teirei3参加した皆さんも、すっかりAEDの操作に自信がもてた様子でした。でも、大切なのは、それまでに人工呼吸、心臓マッサージを行うことなんですね。その練習は必要だと感じました。皆さん、改めて、正式に救命救急講習を受けてみたいと思われたようでした。「ふくねこ」でも受講したいと思います。

また、島津Drおすすめの「安全なママチャリ」も紹介してくれました。大阪のランドウォーカー㈱というメーカーが開発したユニークな自転車です。前輪が二輪になっていて安定していたり、段差を超えるにもサスペンションが効いていて、ショックが少なく走れます。実は、数年前に自転車に乗っていて原付バイクにはねられるという交通事故に遭ってから、怖くて自転車に乗れなくなってしまった私も、もしかしてこれなら乗れるかも?と期待しています。画像は、島津Drが実際に使われている自転車です。Teirei2


なお、4月16日から放送分の「いずみのどこでもトラットリア」で、同じく高知赤十字病院救急部の西山Drに、AEDや救命講習、そして災害時の医療支援についてのお話を伺っていますので、ぜひ聞いてくださいね!(^^)

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