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2007/06/16

徳島タウンミーティング。

2007tokushima16月10日(日)徳島にて、『ディスカッションフォーラム~協働のカタチとミライ~豊中市の場合・徳島市の場合』と題して、NPO法人阿波グローカルネットの主催でタウンミーティングが開催され、高知のメンバー3名で参加してきました。
行政とNPOの協働について、大阪府豊中市と、徳島県徳島市のそれぞれの取り組みについての発表があり、そのあとフランクディスカッションという形式で自由な意見交換が行われていました。
豊中市からは、NPOの立場として私の師匠でもあるNPO法人ゆにばっぷの芳村幸司氏と辻元寿氏、行政の立場として高知にもお越しいただいて貴重なお話を聞かせていただいたこともある豊中市政策企画部部長の田中逸郎氏、そして豊中市市民活動課の本荘泰司氏がゲストスピーカーとして来られていました。
尊敬する偉大な先輩方なのですが、気さくに声をかけてくださり、2年前に皆さんが関わられている豊中まつりに参加させていただいたことを懐かしく思い出しました(^^)

豊中市では、市民公益活動団体と市が協働で取り組む提案を募集して市民と行政がともに豊中市をより良いまちにしていこうと平成16年度から協働事業提案制度を実施しています。

1.募集説明会
2.提案
3.関係課との事前意見交換・提案内容の修正
4.公開プレゼンテーション
5.決定
6.成案化検討
7.成案化事業の実施

という流れで成案化された事業は、来年度4月から実施になるそうです。
3.の関係課との事前意見交換・提案内容の修正は、事業開始当初はなかったそうですが、思いを持って”自分達の団体だけで頑張るよりも、市と組んだ方が充実した事業ができる”と企画を提案した団体と、それに関係する課とのやりとりが事前にない場合、せっかくいい企画でも成案化が決定した後に、関係課が「知らなかった、対応できない」ということになると無駄になってしまうので、決定審査前にそうした期間を設けたそうです。
そして、公開プレゼンテーションでは、提案団体が提案内容を説明し、その事業の関係課が提案内容に関わる地域課題や計画・施策について説明した上で、市民公益活動推進委員会が提案団体と関係課に質問をする形式になっています。ここでは「絶対に否定はしない、どうすればその提案がうまくいくかを検討する」という方向で話し合うことが、(暗黙の?)ルールとされているとのこと。
その方向性を共有できるだけでも素晴らしい!と、感激して聞き入っていました。

問題点として、単年度で処理できる事業、行政でできる範囲を守れる内容になりがちな面があったり、そうした協働事業の先進的な事例のある豊中市でもいいことだと分かっていても体外的に公平性・平等性を保つために認められない、実現できないなど、行政の壁は今でもある、という話もありました。

いいNPOとは、どんなNPOなのか?役人が選別するNPOがいいNPOなのか?
本来はサービス利用者、市民が決めるべきで、そうした事業の成果発表会は公開の場で市民に開かれた場で評価し、それをもとに制度を変えていくことが市民にとってよりよい事業を実現していくためには必要。
行政と市民が、サービスを提供する側と受ける側、という立場ではなく、NPOは行政とは違う公共サービスを供給することができる主体だから協働する意義があり、NPOと行政がそれぞれの主体性を発揮しあい、お互いが公共課題を共有して、win-winの関係を築いて解決していかなければ、いつまでも「行政はNPOを支援し、NPOは行政事業に協力する」というスタイルから脱することができない。

・・・高知の現状を思えば、身に染みる痛いお言葉・・・(--;

続いて徳島からの報告。徳島市のスピーカーは、主催のNPO法人阿波グローカルネット代表理事の本田圭一氏、そして行政の立場から徳島市市民協働課主事の只安敬子氏。
徳島市協働提案事業支援制度」初年度を担当した、徳島市協働課主事の方がスピーカーのお一人として登壇。初年度ということもあり、制度の失敗点も認めながら、今後の改善に向けての姿勢を見せてくださった。事前に関係課との打ち合わせなしに選考委員の評価で当選。決定してから、担当課と打ち合わせの段階で決裂、中止になる場合もあり、その場合は次点の団体が繰り上げになるという流れになってしまったそう。でもそれでは結局、審査は無意味で、最終的には担当課に決定権があることになってしまう!
これではいけないということで、事前に団体の紹介や活動内容、提案のあった事業の内容などを担当課に持ち込んで、意見交換をしてもらうように改善していっているとのことでした。

その後、高知での委託事業を通しての行政との関係やその効果について意見を求められ、今年で2年目となった高知市からの住宅改造アドバイザーの委託事業について、簡単に報告をさせていただいた。
高知でこうしたディスカッションの場を設けたら、はたして同じようにNPOと行政の担当課の職員がスピーカーとして壇上に並び、お互いの失敗点や欠点などを正直に話し合い、これからどう改善していけばいいかという話し合いが、公開の場で実現出来るだろうか?・・・と考えると、その壁は厚いように感じる。

あくまで目的はいいサービスを提供する事であり、協働はひとつの手段。
行政の構造を変えて行きたいための手段として、市民公益活動、みんなで支える作業がある。
最後に”協働のコツとは、もともと違う価値観と認識すること。相手の価値観を否定しないこと”という言葉で、タウンミーティングは締めくくられた。

まだまだ高知での現状を思えば、壊して切り拓いていかなければいけない壁の多さにため息が出そうになるけれど・・・。
否定からは何も生まれない。今は現状の中で実績を積んで、自分達の姿勢を行政、市民の方にも見てもらい、信頼を勝ち得ていく時期なのかもしれない。あせらずにNPOとしてのミッションを見失わずに頑張っていこう。

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