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2008/04/03

サトやんのお花見。

今日は、田舎に帰って桜を見ようね。
あの川の淵にある大きな桜の木は、どんなに素敵に咲いているだろう。
段々畑の花も緑も、春のその香りをいっぱいに感じたくて。

 
いつも衝動的に「帰りたい」と言っては泣いて取り乱す祖母が
楽しみにしていたその望みは叶わなかった。
このところ病状が不安定で医師の許可が出なかったのだ。
 
お互いに仕事で忙しい時間を繰り合わせて
母と叔母と三人で会いに行く。
家族や近所の人たちから、祖母はずっと「サトやん」と呼ばれているので、
私も自然と「サトやん、元気やった?」と声をかける。
 
サトやん。少し髪が伸びたね。
春だから、せめて気分転換に、髪を切ろうか。
突然の思いつきで、祖母の命から生まれた娘と孫の共同作業が始まる。
なかなかいい感じやん♪
サトやんも、春らしいヘアスタイルを気に入った様子。
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さっぱりした髪型を、グループホームの職員さんや同じ入居者の人たちに褒められて
照れくさそうな笑顔のサトやん(^^)
お昼ごはんも美味しくいただいています。
小規模な施設なので、居間に家族が集まって一緒に食事をするような暖かい雰囲気。
職員さんも一緒に食べます。サトやんのランチタイムをパチリ♪
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「今から出掛けるがやろう?一緒に桜を見に帰るがやろう?」
疑いもなく見つめる祖母の視線に、言葉がつまる。
 
出掛けられないことを納得してもらうために
祖母が暮らすグループホームから、併設の病院への通路を散歩する。
病院の受付に活けられた花を見ながら
「サトやん、ここにも桜が咲いてるよ。こっちにもいろんな花が咲いてるよ。
オレンジ色のカーネーションもあるんだね。この薄紫の花はなんていう花かな?」
 
そうしているうちに祖母のほうから
「今日は寒いから帰る。あんたらも仕事があるんやろ。」
納得して、部屋に帰ると言い出した。
内心ホッとしながら、さみしいのは私たちも同じだった。
 
「ばいばい。また来るからね~。」
そうして手を振ると、姿が見えなくなるまで手を振り返して見送ってくれた。 
 
 
ふるさとの桜を見に帰れなかった分、
これからも、サトやんの笑顔をいっぱい咲かせ続けよう(^^)
 

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