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2008/10/27

井戸端会議から始まること・・・

地域には尊敬すべき元気者がいる。
 

どんな専門職でも、行政の立場でも、どんな肩書きを持つ人にも出来ないことを、想いでやってのける人がいる。高知を変えようとか、大きな施策を動かしていこうとか、そういう立場にいる人は、もっとそんな人たちに頼ったほうがいいと思う。もっと市民を信用したほうがいいと思う。

そんなお一人である齋藤紘二郎(こうじろう)さんは、そんな地域の元気物の中でも知る人ぞ知る有名人shine 私は2年前に保健センターの方を通じて知り合い、ラジオ番組にも出演していただきましたhappy01

 
9年前、57歳の時に突然車の運転中に脳出血に襲われ、右半身麻痺の障害を負った齋藤さん。人通りの少ない山道で、偶然通りがかったご夫妻に助けられ「二度目の命」をもらったのだそうです。

そして現在ではそのお返しを・・・と、同じように障害を持ち、孤独や引きこもりに悩む人、必要な情報が得られず困っている人、生きがいや楽しみを見出せずに苦しんでいる人のために毎日走り回っています。時には、保健福祉センターの保健師さんから、ピアカウンセリング(障害者同士など、同じ立場、境遇を共有できる者同士が集まり、お互いの苦しさ、辛さを話しあうことにより、辛さを分かち合い、助言しあっていくことで前向きな生き方を見出していく)の立場で、引きこもっている方のところへ一緒に行って欲しいと依頼があるほど。

それなのに、本当に困っている人の役に立ちたいと情報を得たくても「個人情報の問題があるから」と、必要な情報を与える協力をしない融通の利かない行政に見切りをつけて、電動車椅子を毎日走らせて、自分の住む地域を一件一件回り、本当に行き場がなくて困っている人を何人も自分一人で見つけてきた齋藤さん。そして、そんな皆さんのために誰かと会話が出来る場所を、仲間づくりが出来る場所を設けようと、その第1回目の機会として「井戸端会議」を作りました。
齋藤さんは言います。同じ病気の人もこのまちにたくさんいるよ!病気になったけど一人じゃないよ!と言いたい。病気になるまでは、皆さんそれぞれにいろんなお仕事を経験してきた方もいらっしゃるし、病気になって教わったこともたくさんある。
その経験から「教える立場」「教えられる立場」・・・いろんな立場で情報交換が出来るから。私たちが元気になれば、この地域が明るい、素適な、元気なまちになるはず。

行政の立場でどんなに頑張っても、そんな人たちにたどり着くには時間がかかったか、もしくは煩雑な業務に追われてそこまでは出来なかったはず。それで自分達も助かっているはずなのに、そんな人たちの努力を好意でしてくれて当たり前と思ってはバチが当たると思う。
齋藤さんは特別な資格はなくても、素晴らしい才能を持ったスペシャリストだと思うからshine
 

Azono2Azono1左は黒板に書かれた文字。右半身麻痺になった齋藤さんは右利きだったので、左手で訓練をして文字を書くことが出来ます。
どうですか?とっても味のある文字でしょう?wink 今では絵手紙もお得意な齋藤さんですshine

右は熱く穏やかに想いを語る齋藤さん。屋外を遠方に行く時は電動車椅子を使って、屋内を歩く時は1本杖を使っています。さりげなくオシャレをすることも忘れない紳士な方なのですが・・・皆さん。半身麻痺の方がタートルネックのセーターを着るのって、実は結構大変なんですって。これは経験のない者にとっては想像しにくいことかもしれません。

「そのまま着ようとするととても時間がかかって、窒息しそうになる。・・・実はね。コツがあるんですよ。セーターには必ず商品の材料や取り扱い方の説明のタグがわき腹あたりについているでしょ?それに指をひっかけて引っ張ると何とか着れるんですhappy01。これを同じ障害を持つ仲間に教えてあげたら、みんな喜んでオシャレをしてくるようになったんですよnote

自分の障害について、経験したことについて、同じ立場の人の役に立てれば、そして広く障害に対して理解が深まればと周りに発信できる人は本当にまだまだ少ないけれど、そうした人たちのお陰でバリアが取り払われてきているのも事実。齋藤さんの地道な活動が周りにもどんどん理解されていきますように!

第1回目の井戸端会議では、主に80代前後で脳血管障害によって片麻痺や言語障害をお持ちの方々が集まりました。齋藤さんの呼びかけで、地域の高齢者支援センターの方も参加されていました。障害をお持ちの当事者、そしてその配偶者も参加されていましたが、皆さん日頃話し相手がいない、自分の思いを理解してくれる相手がいないので、堰を切ったように思いのたけを語られていました。
病気を発症した時の動揺、障害を受け入れられるようになるまでの葛藤の日々・・・思い出して涙ながらに語られる方もいました。

「発症した後、退院してきてすぐの頃は月に1度の頻度で主人がけいれんを起こして救急車を呼ばなければいけなかった。最初は動揺するだけで何も出来なかったけど・・・何回も経験するうちに、救急車を呼んでいる間にけいれんしている主人を横目に帰りの履物や貴重品をかばんに詰めて準備していたんですよ(苦笑)人間って慣れるもんですねぇ!」
・・・と、当時の苦労話を今では笑い話にして語れるようになった方も。
 

「味付け海苔や若布は危険なんだよね。半身麻痺のために嚥下(飲み込み)にも障害があるから、のどの奥にぴたっと張り付いてしまうと息が出来なくなってしまうから。」

「うちの主人も、熱が出たので風邪かな?と思ったら誤嚥性肺炎(気管に異物が入ることが原因で起こる肺炎)を起こしてたんですよ。」

「いつどこでまた倒れるか分からないから、必ず持っている杖に名前・住所・電話番号・かかりつけの病院・担当医を書いた名札をつけているんです。先日も、それを教えてあげた友人が倒れた時に、救急車からすぐに担当医に連絡してもらえて助かった!と喜ばれたよ。」

・・・そんな貴重な体験からの声も聞かれましたconfidentshine
皆さんがいきいきと語る表情に私も元気をもらいました。病気のことを振り返って語る事はネガティブなようで実はこれから前に向かうための大事な作業なんですね。ここには書ききれないくらいたくさんのことを語りあかして、2時間があっという間に過ぎていきました。私も勉強させてもらいながら、自分のお仕事に生かしていきたいと思いました。

 

Img_13371そうflair 実は今回は会場となったとある公民館の入口が段差が多く使いづらいので、杖や車椅子を使っている方も安全に来られるようにと、お仕事として改修の依頼をいただきました。

これが実際の画像。難しいのは、バリアをとることも大事だけど、子供たちも利用してるので、健康な人も使いやすく、車や自転車を収納できるスペースも確保したいとのこと。

不特定多数の方が使う場所の場合は、それぞれの使い勝手をふまえた上で最適な案を考えなければいけません。ただいまプラン作成中!改修後の様子はまたいつか・・・完成後にお知らせします。お楽しみにhappy01note

 


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