お互いの世界を理解しあおう。
あなたが見ている世界はどんな色?
もっとお互いの見ている世界を理解しあおう。
誰もが安心して暮らせるまち。誰もが使いやすく分かりやすいデザインを考える時、色の選択も大きなウェイトを占める問題ですね。でも案外、色への配慮って優先順位が低かったり、間違った知識の元に選ばれていたりする気がします。
そんな中、またいい出会いをいただきました。
木曜日の大阪出張の翌日の金曜日。車での帰り道に徳島のNPO仲間(NPO法人阿波グローカルネット)に声をかけていただき、とある会食の場へ。
そこでお会いしたのが、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の伊賀公一さんでした。「初めまして」と私が挨拶するなり、「これをかけてみて」とサングラスのような色付きのめがねを渡されました。
「これが色弱者の見え方なんだよ。」
画像で見る色は正確ではありませんけど、彩りよく並べられたお料理も、まったく別世界のもののようです。
これは、色弱模擬フィルタ「バリアントール」という、色弱者の色の見分けにくさを体験できる特殊フィルタなのだそうです。
特に、緑と赤は見分けがつきません。赤と緑と言えば、信号機。そして、充電器などは充電中が赤で、充電が完了すると緑のランプがつくものが多いけれど、それも見分けがつかないのです。時には、公共のトイレの男女のマークも色で見分けることが出来ず、色弱の方は間違えてしまうこともあるそうです。
そういえば危険な場所や注意喚起って、赤で表記されることが多いですよね。
NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(略称:CUDO)のHPを見ると、色覚の仕組みや色弱者の見え方について、分かりやすく詳しい説明がありますのでぜひご覧ください。また、CUDOのブログにも素晴らしい功績の数々が紹介されていますのでぜひご覧ください。あのadobe社と共同開発で、イラストレータやフォトショップに色覚シュミレーター(デザインしたものが色弱者にはどんな見え方をするのかをシュミレーション出来る)をつけたものが発売されたというのもスゴイですよね!
徳島出身で東京を拠点に活躍されている伊賀さん。
ご自身も色弱者でありながら、なんと1級カラーコーディネーターも取得されています!つまり、自分の見えている色が、健常者にはどんな色で見えているのか、ちゃんと客観的に分析できているということですよね。そしてその才能を生かして世に役立つものを新たに生み出していっている。障害者のために何かしてあげようというのではなく、お互いのためにお互いのことを理解しあおうよ。というスタンスなのも、とても共感できました。
最近、カラーユニバーサルデザインの本も完成されて、現在予約受付中です。色弱者の見え方を具体事例満載で分かりやすく解説し、その解決策も伝えてくれています。たくさんの人に読んでほしい1冊です!
今年中に高知にもお招きする機会を作りたいと思っています(^^)♪
ところで、皆さん。
ダイアログ・イン・ザ・ダークって知ってます?これも伊賀さんに教えてもらいました。
目以外のなにかで、ものを見たことがありますか?
暗闇の中の対話。
鳥のさえずり、遠くのせせらぎ、土の匂い、森の体温。水の質感。
足元の葉と葉のこすれる枯れた音、その葉を踏みつぶす感触。
仲間の声、乾杯のグラスの音。
暗闇のあたたかさ。
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、まっくらやみのエンターテイメントです。
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、何人かとグループを組んで入り、暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障害者)のサポートのもと、中を探検し、様々なシーンを体験します。
その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人のあたたかさを思い出します。
世界25か国・約100都市で開催され、2009年現在で600万人以上が体験したこのイベントは、1989年にドイツで、哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれました。
1999年以降はボランティアの手によって日本でも毎年開催され、約3万6千人が体験しています。
(HPの解説より)
確かに、私たちは日頃から視覚情報に頼りすぎてその他の感覚や表現方法が鈍っていっているような気がします。こうした経験から改めて気付けることもきっとたくさんあると思います。暗闇の中の会議・コンサート・子供向けのイベントなど、様々な活用方法があるようです。ただ、とっても興味深く体験してみたいけれど、この活動はNPO法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンがドイツの会社と契約しており、著作権の問題も発生するので簡単には開催出来ず、経費もある程度の額が必要なようです。
ん~・・・単独では開催出来ません(^^;高知での開催を引っ張ってきてくれる企業や団体が現れることを願っておきます!または、協力し合って開催しようよ!とアンテナに引っかかってくださった方はぜひご連絡ください(^^)♪
また新たに人との出会いという宝物を得て、今日も頑張れそうなIzumiです!たまったお仕事も頑張って片付けるぞい!q(^-^)p
皆さんもよい週末を♪
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コメント
昔長野の善光寺に行ったことがあります。拝観料を払ってお寺の地下に入ると完全に真っ暗。その経路を手探りで進むのですが、昔の人も同じようなことを考えたのかもしれませんね。視力以外の感覚が研ぎ澄まされる不思議な体験でした。
投稿: イサク | 2009/04/25 14:24
> イサクさん。
ありがとうございます。
いつかぜひ高知で実現したいと思ってます!
賛同者や協力者を募りたいと思います!(^0^)
投稿: Izumi | 2009/04/29 18:19