リレー・フォー・ライフ無事に終了しました。
今年も命のリレーをつなぐ24時間が始まりました。
癌で亡くなった身内もなく、関心の薄かった私が始めてこの活動を知ったのは、知り合いの訪問看護師の方から「在宅で暮らす癌患者さんのために、在宅の医療、介護、福祉の専門職でアドバイスが出来る在宅支援の相談コーナーをつくりたいから、Izumiさんもぜひ協力して!」と、福祉住環境コーディネーターとして依頼を受けたのが始まりでした。
あくまで専門職としての関わりだったはずが、開催まで1ヶ月が迫った頃、皮肉な偶然で応援活動をしている堀内佳さんが悪性リンパ腫を発症された。悲痛に暮れているたくさんの応援者の皆さんの気持ちを少しでも祈りに変えて届けられればと、希望者を募り「チームkei」を結成。私自身もリレーに参加することになった。24時間タスキをつないで歩き続ける事は決してたやすいことではなかったけれど、その中で声を掛け合って助け合ってゴールが見えてきた時には、本当に達成感があって自信になり、必ずその祈りは届くと仲間と確信できた。そしていろんな気付きを与えていただいた。
そして2年目。昨年出会えた皆さんやスタッフの方が覚えていてくださって「こんにちは」「今年もよろしく」「頑張りましょうね!」と、声をかけてくださった。そして、癌と闘い続けているサバイバーの皆さんに、今年もまた変わらずお会いできたことが嬉しかった。
そして、闘病から1年が経った堀内佳さんも、今年は感謝の気持ちを込めて元気な姿をステージ上でみせてくれました。
昨年、「チームkei」の仲間が集まり、回復の祈りを込めて歌った「輝け虹色丸」を1曲目に歌ってくれました。
そしてご自身が身を持って体験したことから、がん撲滅への取り組みにエールを送っていました。
ライブの前後には、自ら「歩きたい」とリレーウォークにも参加されて、何週も歩きながら、その祈りの中に身を置いていました。
元気に歌っている姿はきっと、サバイバーや家族の方の勇気につながっていくことと思います。どうかこれからも、たくさんの祈りをパワーに変えて元気に歌い続けてください。
午後からは、がん撲滅にむけての講演と対談がありました。現在、癌と闘っている方はもちろん、関係者の皆さんにとっては最新の情報が聞ける貴重な機会です。こうして医療従事者と患者が対等な立場で語り合えるのも、リレー・フォー・ライフの目的を共有出来ている同志だから、ですよね(^^)
いつもスタッフとして慌しくしていて、じっくり聴けないのが残念なのです。要約筆記のようにスクリーンに文字をあげて遠くからも見えるとか、あとで内容を知ることが出来るといいなぁ、と思いました。
日が落ち始めると急に肌寒くなってきました。リレーを歩き続ける皆さんやスタッフを暖かいコーヒーで夜通し応援してくださったjuncoffeeのジュンさん。 とっても美味しいと評判でお客さんが深夜も明け方も絶えませんでした。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
薄暗くなり始めた秋空に、きれいな雲。いつもは忙しさに追われて見上げることも忘れている空を「あの雲の形、面白いねぇ」「星がきれいやねぇ」「明日も晴れそうやねぇ」ってゆっくり眺めながら歩く時間も、貴重なのかもしれません。
サンセットライブでは、西千葉から参加の松尾貴臣さん。高知県の観光大使に選ばれたそうで、憧れの竜馬の衣装で登場!龍馬の誕生日には高知で記念のコンサートをするそうです。
そして北海道出身のジャコバン西田さん。いつものようにトレードマークのつなぎを着て、独自の世界を繰り広げていました。このあと忙しく次のライブ会場へ向かわれました。お二人とも県外出身だけど高知を愛して高知で歌ってくださっています。嬉しいですね(^^)
19時。すっかり夜になりライトアップされる会場。これから夜が明けるまでが長いのです。
あぁ、これからが本番。始まったなぁという感じがします。
暗くて、寒くて、つらい夜も、仲間がいれば頑張れる。必ず夜明けが来ることを実感として感じられるのも、この場所なのです。
そして、昨年その大変さを経験した皆さんは、寝袋や暖をとる道具や暖かい食事を食べられる工夫や、24時間気力を持たせながら頑張りぬくために準備万端!恐れ入りました!来年は私も野外キャンプが得意な仲間を呼んでこよう(^^;(重戦車さん、あなたのことですよ!←名指し・笑)
そしてグランドのそばでは、てんてこ舞いや光の村、OpenHeartなど障害者グループの皆さんが屋台を出して、美味しいお弁当やお好み焼き、うどんなどを用意して、参加者のお腹を満たしてくれていました。暖かい食べ物で生き返りました~!また、日曜日には朝早くから美味しいパンとコーヒー、スープでモーニングも用意してくれました。寒い中、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
寒さも増していく中、ステージではまだまだライブが続きます。このイベントのテーマソング「ひかりのカノン」を、しまむらかずおさんが仲間の皆さんと歌います。樹奈さんも参加して盛り上げてくれました。
溝渕卓生さんが演奏されたクリスタルボウルは、とても神秘的な音色でした。
リレーウォークを続ける参加者にエールを送るように続けられるステージやその他のイベントすべての統括を担当されている実行委員の谷口さえ子さんにも、本当に毎年頭が下がります。本当にお疲れ様でした。
そしてこのイベントの印象的なシーンである「エンプティ・テーブル」では、ステージに真っ白いクロスをかけたテーブルと、その上にバラ・レモン・塩・グラスが置かれています。
このテーブルは尊厳と名誉の象徴。そしてテーブルの上に置かれたひとつひとつにも意味があります。テーブルにスポットライトがあてられている中、今日この場所に来られなかった仲間に祈りをささげながら、詩の朗読がありました。
そして黙祷。それぞれの想いを胸に、静かな時間が流れていきました。
リレーウォークを続けていると、会場の一角が急に賑やかになりフラッシュが光り始めました。
その渦の中には、サプライズゲストのアグネス・チャンさんがいました!な、なんて華奢で清楚で可愛らしい女性なんでしょう~~!(^0^)
そして、ご自身も乳がんを経験されたアグネスさんは、日本対がん協会のほほえみ大使に任命されていて、各地のリレー・フォー・ライフにも参加して大切なメッセージを伝え続けてくださっているのです。
アグネスさんが自分の乳がんに初期の段階で気付くことが出来たのは、リレー・フォー・ライフがきっかけでした。そして手術を受けた日が10月1日。この日は乳がん撲滅キャンペーンの象徴、ピンクリボンの日。「だから、救われた私の命は、私だけのものではないと思いました。これからの人生をがん撲滅運動のために捧げます!」と、力強く話してくださいました。
そして癌で亡くなる方を減らすためには、とにかく早期発見のために検査を受けてもうらうことが一番!現在はがん検診事業費が一般財源化されているけれど、それを特定財源に戻してもらうように働きかけをしていると話してくださいました。国に必要性を感じてもらうためにも受診率をあげなければいけないので、たくさんの人に気軽に受診していただけるように、啓発・啓蒙のフォーラムを各地で開いたり、参加者に無料検診券をプレゼントしているそうです。
そして、癌になった経験から、ご自身で作詞作曲された「この良き日に(YouTube)」を歌ってくれました。この歌は、日本対がん協会のテーマソングにもなっていてその歌唱印税はすべて協会に寄付されるそうです。店頭で、ネットで、ぜひお買い求めください(^^)
♪生まれたことに 出会えた人に 歩いた道に 感謝 感謝・・・
アグネスさんらしい暖かい愛にあふれた歌に、会場にいる皆が励まされて笑顔で見つめていました。お忙しい中、駆けつけてくださったアグネスさん。本当にありがとうございました。本当に、感謝、感謝です。
そしてさらに夜は更けていきます。暗い夜の闇に、何千もの祈りが描かれたルミナリエの灯りも一層映えて浮かび上がります。
「あなたに出会えたことに感謝」「抗がん剤はつらいけど 生きるため 頑張れ!」「笑顔でファイト!」
ひとつひとつのメッセージを見ながら歩いていると、踏みしめる足に力が湧いてきました。
我が「在宅支援チーム」も夜が更けても歩き続けていますよ~!ただ、さすがに医療、看護の第一線で活躍されている方が多いため、緊急の連絡が入ったり学会の予定が入っていたりして常時会場にいられる人数が少なく、相談コーナーの対応もしながらだったので、24時間タスキをつなぐことは出来ませんでしたが、時間を見つけては歩いていました。皆さん、お疲れ様でした!
そして一夜が明けて・・・快晴の清々しいお天気!
いよいよファイナルラップが近づいてきました。サバイバーを先頭に、参加者全員でグランドを一周し、ゴールゲートをくぐりぬけて、お互いの労をねぎらいながら、無事に24時間を終えた喜びを分かち合いました。
まずは24時間タスキをつなぎ続けたチームの表彰です。実行委員長の松浦先生が、それぞれのチームにメダルを渡しながら
「命のリレーをつないでくれてありがとうございました。この場所に来れなかった仲間も喜んでいると思います。」と涙ぐまれていたのが印象的でした。
そして公務のお忙しい中、駆けつけてくださり、最後の1周だけ一緒に歩くことが出来た尾崎知事がステージにあがり、「最後だけちょっと歩いただけで参加したかのように、私が壇上から皆さんに何か言うのもお恥ずかしい。がん撲滅は高知県でも大きなテーマ。その中で毎月60件の相談件数がある、がん相談センターは大切な役割を担っている。これからもこの活動を応援して行きたい。来年はもっとリレーウォークに参加出来るように時間をとります!」と、宣言してくださいました。もちろん、それぞれ事情がある中なので可能な時間で参加していただけるだけで充分なのですが、お気持ちが嬉しいですね。
そして、この24時間の中で癌患者さんたちが作り上げた、繊細なコスモスのちぎり絵を贈呈すると「ありがとうございました。知事室に飾ります!」と言ってくださいました。
最後は、このイベントのテーマソングである「ひかりのカノン」を皆で大合唱しました。歌詞カードがなくても皆で歌える歌をと、しまむらかずおさんが作られた歌は2年目の今年はすっかり参加者に定着していました。
この歌のCDも、売上げをがん撲滅活動のために寄付されます。詳しくは、がん相談センターまでお問合せください(^^)
最後に挨拶をされた実行委員長の松浦先生。毎年、感極まってしまうので「泣いたらいかん!」と、ステージ袖から仲間の激が飛びます(^^;
きっと、今も病院のベッドの上で闘っている命、この場に来られなかった命、この日にたどり着くまでの喜びや悲しみや、そして24時間のゴールをこんなにたくさんの仲間の協力で迎えられたことや・・・私には想像もつかないくらいのいろんな想いが込み上げていらっしゃるのだろうなぁと感じました。
そして「皆さん、ありがとうございました。来年も頑張りましょう!」と締めくくると、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。皆さん。本当にお疲れ様でした。そして来年も変わらず笑顔でお会いできますように(^^)
長くなっちゃいましたけど、最後に少しだけ・・・
私もこの活動を通じて、がん相談センターを知り、乳がんを患い悩んでいる友人に紹介することが出来ました。高知の中でもがん治療や専門医について最新の情報が集まっているセンターです。私の友人もここでいろんな情報や知識を得たうえで、納得して病院と治療方法を選ぶことが出来て本当に喜んでいました。早期発見のためのがん検診の情報も知ることが出来ます。自分自身のために、そして大切な人を守るために・・・ぜひ一度「がん相談センターこうち」を訪れるか、お気軽に電話してみてください。
そして来年もぜひ一緒にリレー・フォー・ライフに参加しましょうね!すっかりライフワークのひとつになりつつある・・・Izumiでした(^^)
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