高知よさこい情報交流館
タウンモビリティでもこれからご案内する機会もあると思い、勉強のためオープンしたばかりの「高知よさこい情報交流館」へ先日行って来ました。確認すると、市の施設とのことでした。よさこい踊りの歴史を振り返ることが出来、現在の全国に広がっている踊りの映像も見られます。またオリジナル鳴子づくり体験や、衣装や鳴子を借りて見本の映像を見ながら実際に踊る体験も出来ます。
これは批判ではなく、現実をお伝えしてこれから出来る配慮を一緒に考えたいための報告と思って頂けると幸いです。(職員の方に了承を得て撮影)
もともとの敷地の形状、構造、予算などいろいろと課題がある中なので仕方ない部分もあると思います。ただ、観光客にも高齢の方や障害をお持ちの方が多いのも事実なので、一人でも安心して利用出来るよう願っての情報発信です。
建物の入口は南側にスロープがあります。出入口の幅がやや狭いですが車椅子も通れます。中には、備品として来場者が利用できる車椅子が2台ありました。
入るなり、傾斜角度10~15度ほどありそうなスロープでの館内の移動!実際に車椅子のお客様が来られていましたが、それを押す介助の女性が苦労されていました。これだけ長い距離のスロープだったら、間に踊り場(フラットな部分)があれば、高齢や障害のため手の力が弱く、車椅子操作がしづらい方も途中で一度休憩を入れることが出来ると思います。
スロープを上がりきったところには介助が必要な場合に助けを呼べるインターホンがありましたが、そのすぐ先には新たなスロープの始まりが微妙な段差になっていて、分かりやすく黄色と黒のテープが貼られていましたが、誰かが躓いてテープが剥がれかけている状態・・・実際、私もうっかり躓きました(>_<)
★例えば、提案★
目立つ配色だと確かに目を引くので注意喚起にはなっていますが「何に」気をつけないといけないのかが分からず、段差に気づきません。出来れば段差のないアール状やなだらかな形状の部材に変更出来ればいいですが、無理な場合はこんな配色ではどうでしょうか?段差箇所が危ないという注意喚起になると思います。(簡単なペイントソフトで作ってみたのでキレイじゃないですが(^^;)
また、スロープには手すりが設置されていますが、手すりの先端はこの形状は、服の袖がひっかかって転倒する、ぶつかった際に怪我をしやすいなど危険性があるので、公共の施設等での新たな設計では今はほとんど見かけません。本来なら壁側や下側に端部を折り曲げた形にする方が安全です。
トイレの入口に向かう通路幅が狭い上に手前に開く扉。それを車椅子で開くには取っ手を持って一度下がり、90度向きを変えてトイレ内に入らないといけません。さらに後ろ手にそれを締めるのは無理で、中で向きを180度変えて一度出ないと難しいです。
また、車椅子の方を介助する場合は、車椅子を前進させた後、その横を介助者が通ることは難しく、先に開き戸を開けてから押していくか、先に手前に介助者が入っておいて、後ずさりしながら車椅子をトイレに引き入れるしかありません。
そこまで入れば、あとは中の空間は広く取られているのですが・・・中をこれだけ広く取れるのなら、あと20cmだけでも通路を広げて引き戸にしてくれていたら・・・と思うと残念です。
また、車椅子の方を介助する場合は、車椅子を前進させた後、その横を介助者が通ることは難しく、先に開き戸を開けてから押していくか、先に手前に介助者が入っておいて、後ずさりしながら車椅子をトイレに引き入れるしかありません。
そこまで入れば、あとは中の空間は広く取られているのですが・・・中をこれだけ広く取れるのなら、あと20cmだけでも通路を広げて引き戸にしてくれていたら・・・と思うと残念です。
トイレもスロープも、どちらにしても手助けがないと利用できない方もいらしゃるかと思います。職員の方も「職員の人数が少ないので毎回お手伝いできるとは限らないのが現状です」と言われていました。
そう言えば、点字ブロックもひとつもなかったです・・・
もちろん展示物の音声での説明や点字表記も・・・
もちろん展示物の音声での説明や点字表記も・・・
これから、どういう経緯でこうなってしまったのかは確認してみようと思いますが、建物が出来てしまってから知ったのでどうにもならない部分もあります。
それでも「高知よさこい情報交流館」の展示内容、企画はとても面白い内容ですし、広く知って頂きたいし、行きたいと望めば「誰もが」利用できる施設であってほしいと願います。
まだまだタウンモビリティの取り組みは月に1度ですが、タウンモビリティの日に合わせて来て頂ければ、付き添いボランティアがいるのでソフト面で解決出来ます。隣接するはりまや橋商店街自体も高齢の方が多く集うところです。毎週金曜日に開催されている、はりまや市では重度重複障害者の作業所が定期的に販売を行なっています。
例えば、商店街の方々に介助の人手が足りない時はサポートの協力をお願いするとか、観光ボランティアを配置するとか、もちろんタウンモビリティの有効活用も含めて・・・いろいろと方法は考えられると思います。
観光客も、地元の方も、安心して利用できるように、これから私たちにも出来るサポートのひとつとして積極的に情報発信していきたいと思います。
観光客も、地元の方も、安心して利用できるように、これから私たちにも出来るサポートのひとつとして積極的に情報発信していきたいと思います。
★後日、追記★
この施設は、高知市観光振興課が企画、建設したものと分かりました。構造上やむを得ない問題があったそうですが、設計の際、様々な障害者のニーズを聞き取り設計に反映する作業はしていないとのこと、また市の担当課に相談は一度されていたそうですが、最終的には高知県ひとにやさしいまちづくり条例に適合させることはしていません。この条例は新築の建物が対象で、既存の建物を用途変更して建て替える場合は対象にならないそうですが、市の担当課の方も、それは市の事情であって施設を利用される方にとっては関係のない話。「出来るだけ適合させるように努力して欲しい」と伝えたとのことでした。
そうなんです。
あくまで「高知県ひとにやさしいまちづくり条例」は最低基準なのですが、その最低限の配慮をしていなかったとしても残念ながら、改善を強要も出来ないし、罰則もありません。最終的には、建物をつくる側のUD(ユニバーサルデザイン)意識に期待することしか出来ないのです。
正直、高知はまだこんな現状なのかとショックではありますが・・・
現実のニーズを知って頂くために、様々な障害をお持ちの方、高齢の方に積極的に利用して頂いて意見を集めて担当課に伝えたいと思います。
「ここが不便だった」「もっとこんな配慮があれば利用しやすい」
「ここが不便だった」「もっとこんな配慮があれば利用しやすい」
など、なんでも構いませんので利用された方はご意見をください。
これから65歳以上の人口が3人に1人となり、障害も多様化し重度化して、その人口も増えてきている高知県で、誰もが利用しやすい配慮ある施設を建設することは、利用者増にもつながるので市としてもメリットがあるはずです。また、観光客にも、ツアー客に高齢者が多い場合も、様々な障害をお持ちの方もいるのですから。
どうか本当の意味で「あったか高知」と胸を張って言える高知になりますように!!
NPOふくねこも出来る改善策のお手伝いをしていきたいと思っています。
★2014年5月追記★
その後の嬉しい報告を「高知よさこい情報交流館、1周年おめでとうございます!」と題してアップしましたので、併せてご覧ください

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