本の制作に関わるということ
5月24日。
高知市在住の全盲のシンガーソングライター堀内佳さんの
高知県出版文化賞受賞祝賀会に出席してきました。
260名ほどの皆さんが来てくださり、盛大な祝賀会となりました。
佳さんの幼少期を知る友人、恩師から、現在の仕事関係者まで、
さながら佳さんの人生のルーツをたどる大同窓会のようでした(^^)
佳さんの本を作ってはどうか・・・と提案させて頂いた時は
まさかこんな日が迎えられるとは思いもしませんでした。
思えば、堀内佳さんが悪性リンパ腫を発症し、命が危ないかもしれないと
宣告を受けた時期でした。
50年後も、100年後も、子供たちが手に取りやすい形で、
伝え続けたいメッセージが残せるようにと、本を作ることを考えました。
最初は本づくりには乗り気ではなかった佳さん(笑)
本の完成までに4年かかったうち、もしかしたら3年目くらいまでは
本を作るなんて・・・とまだ否定的だったかもしれません(^^;
あの手この手で、佳さんをどうやって本気にさせようかと、
過去の佳さんのコンサートレポートや発言などの資料、画像をかき集め、
どんな構成にするのか、何をチョイスするのか、骨組みから試行錯誤し、
下準備にかなりの時間がかかりました。
それでも、感性に火がついたら早いのが佳さん!(^^)
出版元の南の風社の細迫さんのインタビュー形式で
これまでの思いを、伝えたいメッセージをまとめていき、
自分の言葉で、思いを込め、魂を入れて行きました。
形を作っては削り、また足して削って、形を整えて・・・
それは、本当に命を削るような作業だったと思います。
そして完成した本を読んで、たくさんの嬉しい反響があった時は
かわいいご自身の子供のように感じられたのではないでしょうか(^^)
この本を通して、佳さんの生き方に触れ、また歌を聴いてもらえる
機会が増えればと願っています。
本当に、堀内佳さん。おめでとうございます。
堀内佳著書「もーもの歌たね」は、こちらのサイトからも購入出来ます。
ぜひ多くの方に読んで頂きたいと願っています。
思えば、人の本の制作のお手伝いをしたことは過去に何度かあります。
本の挿絵を書いたことも・・・
エッセイや活動報告記事を載せて頂いたことも・・・
自分の生い立ちを書きだしたものを第1章として載せて頂いたことも・・・
今回は人の人生を掘り起こし材料をかき集め、形づくっていく作業で、
思い入れが強すぎるのも違う、主体的に動きながら主体ではなく、
ある一線からぐっと引いて手放して、客観的な視点に切り替えることが必要な、
例えるなら、代理出産で産んだ赤ちゃんの幸せを遠くから見守るような(笑)
バランスが難しい役割でした。
いろんな意味で、本の面白さも、怖さも・・・知った体験でした。
それでも、物を書き伝える作業は魅力的です。
いつか時期が来れば・・・自分自身の本を書いてみたいです

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コメント
まずは本の製作に当たり大変なご尽力をいただいたこと、そして受賞祝賀会でのスピーチに心から感謝します。
実は祝賀会を開催することが決まった時、出版のきっかけになってくれた和泉さんには、何が何でも経緯や苦労話を語っていただこうと決めていました。
何しろ僕だけの力では到底できなかった本なので、それだけはご臨席いただいた皆さんに知ってほしかったわけです。
「代理出産」とはいえ、和泉さんが手がけた本であることは間違いありません。
僕自身、それを忘れることなく、この本を見守り育てていきます。
本当にありがとうございました。
投稿: 堀内 佳 | 2013/05/28 07:20