2006/04/05

求められるバトン<連携>とは!?

更新が遅くなりました。m(__)m
3月21日。佐川町桜座にて、第27回高知県リハビリテーション研究大会(PDFデータ概要)がありました。テーマは「求められるバトン<連携>とは?~今、その本質を考える~」でした。
午前中には、保健・医療・福祉のまちづくり、地域リハビリテーションについて考え方や箕面市立病院の取り組み例についての、逢坂悟郎先生の講演があったようです。遅れて参加した私は、近森病院の栗原院長先生の講演からお聴きする事が出来ました。医療の現場から在宅での生活を見据えた、さまざまな立場からのノーマライゼーションのまちづくりを目指した地域リハビリテーションの取り組みについて、分かりやすくお話してくださいました。
栗原先生のお話の中での<連携>には、住環境の専門職も、地域住民も、すべてが対等に1つの役割として入っていて、非常に共感できます。人生の大先輩ですのでおこがましい発言ですが、医療側でそうした意識を持ってくださっている方がいることは、とても心強く感じます。
”多職種の連携が必要”といいながら、いつも住環境の専門職は抜け落ちていて、医療・介護・福祉の輪にとどまっている事が多いと感じることが多々あります。
各所で委員として、そうした場に関わらせていただく機会も増えましたが、不完全燃焼で終わる事が多いのです。もちろんそれは、私自身が未熟で連携の必要性を納得のいくように伝えられないから、まだまだ実績も浅いから、ということも反省としてありますが・・・。やはりまだまだ医療・介護・福祉の専門職の方々の意識の中に、「建築や大工の仕事は違う分野のこと」「医療的な知識や障害の特性について話しても、きっと専門外だから分からないだろう」といった価値観の方が多いのも事実だと痛感しています。

実際に、午後のパネルディスカッションでも、地域の中で抱える問題点を考える連携の輪の中には、医師、理学療法士、介護士など・・・住環境整備に関わる専門職は入っていません。

障害を持っても、高齢になっても在宅で自分らしく生きがいを持って暮らせるための住環境整備。それはハードの改善だけではなく、そこでの毎日の暮らし。衣食住を含むすべてであるはず。その大切な場面を担う専門職の1つであるはずの”住”の専門職がまだまだ、意識の中からはずれているのです。

パネリストのお一人の発言に「住宅改修の知識がなくて困る事がある。そうした相談ができるところがあればいいんですけど。」という言葉があり、がっくりとうなだれてしまいました・・・・(--;
ここ数年、頑張って活動を重ねてきましたが、まだまだ私たちは期待されていない、いや、それ以前に知られていないのです。何よりもそれがショックで会場をあとにしました。

しかし、帰ってきてから闘志が湧いてきました!
まだまだやるべき事はたくさんありそうです。今年もさらに広く活動を知っていただくために、精一杯取り組んでいきたいと思っています!!q(^-^)p

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2006/03/20

聴覚障害と住環境を考える

tokusima23月19日、徳島のNPO法人阿波グローカルネット主催のタウンミーティング「聴覚障害と住環境を考える」に参加してきました。講演してくださった第一福祉大助教授の山口利勝先生は中途失聴者であり、現在も補聴器をつけての聴こえが6割程度と言われていました。20代前後から軽い難聴がはじまり、年々症状が進行していった過程では、自殺を考えるほど一人で苦しみ、”ごまかし、逃げる”人生だったと、体験を話してくださいました。

いただいたレジュメにも、聴覚障害者についての詳しいデータがびっしりと書かれています。
聴覚障害にも、
難聴者:医学的に難聴と診断され、補聴器などを活用して声による会話を行っている人
ろう者:声に頼らない手話コミュニケーションを重視する聴覚障害者で、典型的には聾学校卒業生を指す。
中途失聴者:人生の途中から聴覚障害を負った人

など、障害内容が分かれていて、さらに難聴にも軽度・中等度・高度・重度と程度に分類があり、障害認定を受けられる高度以上の難聴者よりもある程度の会話は聞き取れるが、8割聞き取れても2割は聞き取れないというような軽度の方が圧倒的に多い事も分かりました。

軽度の場合、1対1では聞き取れても複数での会話になると聞き取れなかったり聞き間違いがあったり、相手の気持ちがうまく理解できなかったりと、一見、他者から見れば障害が分かりにくいだけに、理解されず苦しんでいる方も多いというお話を聞きました。

山口先生のお話は終始、聴覚障害がいかに社会の理解がなく、苦しんでいる人も多い、大変な問題を抱えている障害であるか、といった話であったように感じました。

その時点では、もちろんそれは事実だとしても、それを自分からの努力や工夫で、障害があってもいい人間関係が築けている、自分らしく生きている人の例も話していただかないと、聞く人の心にマイナス要因ばかりが印象付けられてしまうのではないか、聴覚障害をお持ちの方が聞いたら、ますます悲観的に捉えてしまうのではないかと、心配になりました。

ただ、改めて大切な視点に気付かされた事がありました。
もしも身近に障害を理解されず社会参加出来ずに悩んでいる人がいたら、私はきっと、周囲に努力してもらうことも必要だけど、自分から自分の障害について発信していくことも必要だと、話しかけると思います。

それは実際に必要なことなのですが、その前にワンステップ重要な手順が抜け落ちていては、返って傷を深めてしまう可能性もあるということです。他者に障害の理解を求める以前に、自分でも”他者から見えない障害である
ことが理解できていない人も多い”ということ、”自分の聴こえ方が、どんな状態であるのか説明できない人も多い”ということをお聞きして、なるほどと考えさせられました。
まずは自分の障害がどういうものなのか、障害の構造を分析し理解することが障害の受容につながり、他者と関わるときに困難だと感じても、それは自分が悪いのではない、恥ずかしいことではない、人に配慮を求めればいいのだと考えられるように努力する、または関わる専門職などが導いていくことが大切なのだとお聞きしました。
そのために自分の状況を説明できる力や強さを見に付けていくことが必要であることは、他の障害でも言える事で、そうした心のバリアを取り除くために、健聴者や社会にも理解を求めていきたいと、強く訴えていた山口先生の思いも最後までお話を伺って理解できました。

山口先生が紹介されていた中に、「耳の障害は、人と人との関係をうばう障害である」というヘレン・ケラーの言葉がありました。

今回は「聴覚障害と住環境」というテーマでしたが、何がバリアで改善しなければいけない点かというところは、ハードではなく、コミュニケーションがうまく取れないことによって起こる問題や精神的ストレスが大きなウェイトを占めているという事の深刻さを改めて考えさせられましたし、これから住環境整備の現場に関わる中でも、そうした視点を生かしていきたいと感じました。

参考に、山口利勝先生の著書をご紹介します。
「中途失聴者と難聴者の世界 -見かけは健常者、気付かれない障害者-」

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主催の阿波グローカルネット考案の、難聴者のためのコミュニケーションボード(筆談ボード)「COBO」と、NTT発行の「電話お願い手帳」の画像を掲載します。

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たけさんと再会

takesan13月19日。徳島でのタウンミーティングにゲストとして招かれていた、たけさんこと河村武明さんと久々の再会。
「たけさぁ~ん!」と手を振ると、「おー!!」と驚いたような顔をしてました。
今回はイベントのワンコーナーとして、新作も含めて絵の展示と、即興で絵を描くパフォーマンスもあり、久々に見る「たけワールド」に圧倒されました!シンプルで力強い色使い、書き添えられた暖かいメッセージ。つなぎを着て、頭にはタオルを巻きつけ筆を持つ職人スタイルのたけさんも絵になります。やっぱりいいですねぇ(^^)♪

振り返れば、たけさんとの出会いは2003年11月。徳島での個展を見に行った時でした。絵に感激して話しかけると、黙ったまま困った表情のたけさん。「筆談でお願いします」そう言われて筆談ボードを渡されるまで、障害がある事はまったく分かりませんでした。そうして話をさせていただいているうちに、たけさんからこんな一言が。
「高知の人にも僕の絵をぜひ見て欲しいなぁ!」
たけさんの思いに突き動かされ、「よっしゃ!まかしといて!」と動き出しました。タイミングよく、会場も主催でイベントを企画してくださる方もとんとん拍子に決まり、翌年2月には高知でのイベントが実現しました。
テレビや新聞でも取り上げられて話題になりました。その時の様子は下記のページに掲載しています。
2004年2月28日イオン高知でのイベント
2004年3月1日~8日Cafe&Lunchげんきでの個展

そして、その年から高知福祉機器展にも参加して、たけさんコーナーを設けて絵やポストカードを展示してもらえることになりました。今年の高知福祉機器展にももちろん、たけさんはやって来てくれます!夜にはたけさんのもうひとつの楽しみである、かつおのたたきと美味しいお酒を堪能していただく予定です(^^)♪

ぜひ皆さん、たけさんに会いに来てくださいね!
たけさんのホームページはこちらです。「たけの世界
たけさんのブログはこちらです。「たけの間違いだらけの日本語

最後にたけさんと会話するときに使う筆談ボードと、パフォーマンス中のたけさんの画像をご紹介します。
takesan3takesan2

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2006/02/27

インターネット機器展!

kiki2月27日(月)の高知新聞朝刊23面に、「インターネット福祉機器展」についての記事が掲載されました。
主催の「生き活きサポートセンターうぇるぱ高知」が核となって、今年で5回目になる高知福祉機器展の思いを、365日ウェブ上でも情報発信していこう!という目標を掲げ、昨年から実行委員の皆さんと試行錯誤しながらつくりあげてきました。私たち、福祉住環境ネットワークこうちは、本番の機器展と同じく、住宅改修(暮らしやすい住まい)ブースを担当させていただいています。
PCにうとい私には、HTMLやらスタイルシートやらムーバブルタイプやら・・・出てくる言葉が外国語のようでしたが、皆さんに助けていただいてなんとかベースの形は出来ました。もちろん!これからどんどん、進化させていきたいと考えています。
ぜひ一度ご覧いただいて、感想を聞かせて下さいね。
インターネット福祉機器展
http://welpa-kochi.jp/

主催のうぇるぱ高知のホームページはこちらです。
http://welpa.cocolog-nifty.com/welpa/

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2006/02/25

スペシャル サンクス!!

P506iC00241175782月5日に開催しました、「タウンミーティングin高知」の記録を終日ビデオに収めてくださり、DVDにまとめてくださった方がおり、昨日受け取りました。主に動く会員(スタッフ)とは別に、客観的な視点で全体を記録してくださる方の存在は本当にありがたいです!お名前を出す許可をいただいておりませんので・・・当会の法人会員となってくださり、会の活動趣旨にも賛同し協力してくださっている方・・・とだけ書かせていただきます(^^)
活動の記録として残せることはもちろんですが、来年度に向けてのスタッフの反省材料にもなりますし、また参加してくださった方の熱が冷めないうちに次への仕掛けを継続していくための、報告をまとめる作業にも使わせていただきます。こうして思いを共有してくださる、多くの方の協力のおかげでまた前進していけることを心強く感じていますし、心から感謝しています!
なるべく3月中には報告をまとめるべく、NPOの事務局で作業を進めておりますので、皆様少々お待ちくださいませ(^^)

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2006/02/07

タウンミーティング終了!

2006tm12006tm32月5日にNPO法人設立記念総会、タウンミーティングin高知、無事終了しました。設立記念総会では、知事代理の方、市長代理の方のご祝辞もいただき、感慨深いものがありました。
タウンミーティングは今年で3回目ですが事前の準備、打合せから当日までの作業は大変で、すごくパワーを消耗するのですが、その分得るものも大きく、心地よい疲労の中、次回はどんな形にするか、どう改善するかなど実はすでに考え始めています。(ほとんどビョーキかも(^^;)
毎回テーマは「福祉住環境コーディネーター」であったり、「行政とNPOの協働」であったり、「まちづくり」であったり・・・サブテーマは違っても、大きなテーマは同じです。
「障害があっても高齢になっても、誰もが安心して自分らしく暮らせるまちに、高知をしていくにはどうしたらいいか、皆で考えてみん?そして、一人一人に出来ることからやってみようや!」それはずーっと言い続けているテーマで、もちろん、すぐに大きな動きになったり、急にそんな大きな目標を解決できる動きはできないと思います。でも回を重ねるごとに、私たちが何を目指して何をやろうとしているか理解をしてくださる方が増え、少しずつですが変化を感じるというか・・・以前より、熱の伝わり方が早くなったというか・・・何かプラスの変化を感じています。

年に一度ではなく、不定期に、いろんな場所で、主催団体のカラーも違った形で、違った価値観や専門性を持つ方々が、大きな1つのテーマを共有して情報交換・意見交換できる場、そこから得た気づきを次の行動に移せる場を継続的につくっていくことが大切だし、各場面で困っている現状を変えていく大きな力になるのではと感じています。いきなり大きなことはできなくてもいいし、大そうな悟りを開かなくてもいいから(笑)、「そうか、自分と違うこんな意見もあるんだ」「これなら自分もできるかも」とか、そんなのでいいんだと思います。きっかけですから。

今回大阪からお越しいただいた講師の芳村さん、田中さんからもたくさんヒントをいただきました。一見難しそうなテーマの話も二人にかかれば、かけあい漫才みたいなもので参加者からは「分かりやすかった」「こういう話が聞きたかった」「民間と行政の関係についてもやもやしていたのがすっきりした!」と、意見をいただきました。
昼食時も講師を囲んでざっくばらんに会話しながら、皆さん楽しんでいました。

講師のお2人のお陰で、福祉住環境ネットワークこうちの活動についても参加者に認識を深めていただき、活動に参加したいとさっそく入会してくださった方が数名いらっしゃった事が大収穫でした!メンバーも増強し、来年はさらにパワーアップですよ!?q(^-^)p
高知のメンバーの皆さん。徳島から参加してくださった皆さん。ボランティアの女子大生お2人。美味しいお弁当を提供してくださったM's kitchenさん。ご協力いただいた皆さん。本当に有難うございました!

また開催内容の詳細のは、報告をまとめ次第「福祉住環境ネットワークこうち」のホームページに掲載いたしますので、少々お待ちください♪

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2006/01/30

準備中~!

29日の日曜日、あと1週間と迫った「タウンミーティングin高知」の準備作業にメンバーが集まりました。とにかくたくさんの方にお越しいただき、ともに一歩を踏み出していただく機会にしたいと、各方面に呼びかけてきましたが・・・気が付けばワークショップの配置に苦労するほどです。今回は、申込者が職種も立場も年齢もさまざま、他県からの参加者もありと、いい情報交換ができそうで期待しています。成功させるためにはスタッフの思いをひとつ!!にすることが大切です。この日も準備作業とともに打合せをしっかりと。みんなのいきいきした笑顔がいいでしょう!?(^^)あと数日、次につなげる仕掛けを仕込むべく、煮詰めていきたいと思っています!
tm1tm2

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